
10代の頃は誰でもニキビに悩みを持ちます。顔だけではなく、首に、背中に、お尻に。時には強い痛みを伴い、本人を苦しめます。その事で自分に自信が持てなくなる場合さえあるほどに。
けれど、多くの人はその苦しみは大人になるにしたがって、軽減されるものだと思っているでしょう。事実、ニキビの原因である過剰な皮脂の分泌や毛穴の中での菌の繁殖などは、思春期におこる急激なホルモンの変化に拠るところが多いのですから。だからどうしても、今は仕方が無い。そのうちに綺麗に治まっていくだろうと皆が考えます。
誰でも綺麗な大人を夢見ます。殆どの人が「成人式の頃にはタマゴの様な肌」、それを期待します。当然でしょう。そう考えることで、今の痛みや苦しみの溜飲が下がるというものです。
しかし大人になれば肌は綺麗に治り、二十歳になればタマゴ肌などと誰が保障するのでしょう。30歳を過ぎてもニキビに悩む人は周囲が思うよりずっと多いのです。けれど、クリニックなどでニキビの治療を始めるのは、多くが社会人になってからだと言います。もちろん金銭的な理由もあるでしょう。
アトピーの持病でも無ければ、普段通うことの無い皮膚科は予算の程度も分からず、結果が出るまでどのくらいの治療が続くのかも医者でさえ判断できません。こんな悩みは若い時だけ、そんな希望的な考えで様々な洗顔料などを試しながら、そうして二十歳を過ぎ社会人になって、自分では治らないからと病院のドアを潜るのです。美容クリニックなどでニキビ痕の治療に通う人もいるでしょう。病気では無い、大人になれば治る、そういった考えは確かにまだあるでしょうが、治療を終えた多くの人が、いえ総ての人が「何故もっと早く来なかったのか」と思っていることを、今悩んでいる人に知っていただきたいです。
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